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                        一宮市立木曽川東小学校長    
                                 川  井  純  一        

「豊かな人生を!」 (学校新聞3月号より)
個性を生かして光輝いた六年間を経て本校を巣立つ皆さん、卒業おめでとう。卒業式の感動をいつまでも忘れないでください。皆さんは、プロ野球で三十人以上のタイトル保持者を育て上げたすばらしい名コーチがいたことを知っていますか?七つのプロ野球球団を約三十年間指導して歩いた伝説の打撃コーチ、高畠導宏氏。昨年放映されたNHKドラマ「フルスイング」の主人公のモデルとなった人物。彼は、五十代半ばに教員免許を取得するため通信教育で勉強し、五年かかってみごと社会科の高校教師になり、甲子園をめざしました。 三十年のコーチ人生でつかんだ彼の到達点は、次の二つです。「才能とは、逃げ出さないこと」「平凡の繰り返しが非凡になる」また、彼は三十年の指導者人生で「気力」の大切さを次のように説き続けたコーチでもあります。「気力は一朝一夕にできるものではなく、心の中に燃えるような熱意をもって、それを持続させること。持続させるためには、反復が必要。ただ何となくという意識からは、決して気力は生まれてこない。」癌に倒れて苦しかった最後の授業でも、彼は黒板に「気力」と書いて、「人生でいろいろな困難にぶつかるだろうが、気力で乗り越えてくれ、人生には気力が大事なんだよ。」と言われました。「気力」があれば困難を克服できるし、豊かな人生も送れます。

木曽川東小学校をより発展させていくために・・・
明るく元気な木東っ子達と今年も楽しく過ごしています。木曽川東小学校をさらに発展していくためには、子ども達や教職員達、保護者・ご家族、地域の皆様方の「和」が大切だと考えています。さらには、「輪」や「話」、「わ」らい(笑い)なども大切にしていきたいと考えています。
本校をより発展させていくための基礎になる文字は「わ」です。「基礎」が
「わ」、キソガワ、木曽川・・・「木曽川」は、すばらしい響きがあります。

校長講話「感動する心をもとう!」より〈校内の『歯みがき週間』に向けて〉                    
  昔々、あるところに、大きな山がありました。その山の近くやまのには、広い草原がありました。そこには、たてがみの立派なライオンの「ブラウン」がいました。ライオンは獲物(えもの)を見つけると、じりっじりっと獲物に近づき、獲物を倒します。獲物が暴れてても逃がさないためにはじょうぶな歯が必要です。とらえた獲物を運ぶときも、じょうぶな歯が必要です。牙は手の代わりをします。そして、するどい歯で獲物を切り裂き、噛み切ります。                                    そんな、ライオンの「ブラウン」に、シャチの「スイム」という友達がいました。2匹は、いつも仲良く遊んでいました。ところが、ある日、ライオンの「ブラウン」のじょうぶな歯が抜けてきました。ライオンは、歯が抜けるとどうなるのでしょうか?そうです。やがて死んでしまうのです。ライオンの「ブラウン」は、死ぬまぎわに、友達であるシャチの「スイム」に向かって、息絶え絶えに話をしました。「僕は、歯磨きをしなかったので、歯が抜けてしまい、やがて死んでいきます。君は、歯が抜けないように、がんばって歯磨きをして、長生きしてね。」                          シャチの「スイム」は、自分では歯磨きができないので、水族館に入り、人間から歯磨きをしてもらい、ライオンの「ブラウン」の分まで長生きをしました。         今日の感動のお話はこれでおしまいです。しましたね。人間もライオンやシャチと同じように、歯がなくなると、大変なことになります。そうならないためにも、食事の後には、歯磨きをしっかりしましょう。

学校新聞より

 今年の熱い夏、北京オリンピックでは、心に残る数々の感動のシーンがありました。メダル獲得の有無に関わらず、数々の感動のドラマが生まれました。勝ったときの涙、負けたときの涙それぞれ、感動がありました。感動の大きさは人それぞれ異なります。また、感動の数も人によって異なります。感動の大きさも数も他人が決めることではありません。自分自身の心が決めることです。多くの感動を味わうことで、人は自分自身を変えることができると言われています。
本校でも運動会の練習や運動会当日に、子ども達も職員も熱く燃えて頑張りました。北京オリンピックにも負けない位の感動する場面が数多く見られました。木東っ子達の繰り広げる多くの感動のシーンがありました。一人一人の児童が、様々な感動を味わっていました。また、教職員も色々な感動の場面に出会いました。一学期にも夏休みにも多くの感動場面がありました。

 子ども達が、学習面や生活面において、より多くの感動を体験していけば、必ず人間として前向きに成長していけるものと考えています。そこで、今年度の全校朝礼では、「感動する心をもとう!」というテーマで講話をしています。子ども達は誰でも感動することができます。子ども達は、感動する場面が多ければ多いほど、心が豊かになり、意欲を持って生きていくことができます。また、多くの感動を味わうことにより、子ども達は自分自身を高めていくことができます。美しいものに出会って感動する。新しい経験や発見によって感動する。新しい人や本と出会って感動する。その一瞬、一瞬の積み重ねによって、子ども達は豊かな人生を遅れると思われます。どんな小さな感動でも大切にしたいものです。感動を探し、感動に出会い、感動を体験することによって、より前向きに、より大きく成長していきたいものです。

 夏の終わり、心のふるさと、土佐の高知へ行ってきました。私が気になる歴史上の人物、坂本龍馬の銅像に桂浜で再会し、彼が脱藩した道筋を辿り、彼の生家跡地にも行ってきました。四万十川や足摺岬、竜串・見残しなど高知の自然や人々は豪快かつ繊細。そして、温かく素朴で純粋。感動しました。これからも,児童や職員や地域の方々と共に感動する心を持ち続けたいと考えています。

すばらしい木曽川東小学校
 木曽川の東に位置する木曽川東小。毎日、子ども遠の明るく元気な声か響いています。きそがわの「き」は、希望に満ちあふれている人が多い。きそがわの「そ」は、聡明な人か多い。きそがわの「が」は、頑張っている人か多い。きそがわの「わ」は、若々しい人が多い。そんな、すばらしい木曽川の地。その地に位置する、木曽川東小。子ども達と教師達と保護者・ご家庭の皆様、地域の皆様方が「ともに生きる」ことによって、さらに質の高い学校を目指していきたいと考えています。今年度もよろしくお願いいたします。

校長講話より「感動する心をもとう!・・・複数動物編」
 「教育は愛情である。」学校教育は、教師が子ども達を好きになるところから始まります。そして、子ども達が教師を好きになれば、教育的効果が増幅します。私は子ども達を好きになるため、毎週月曜日の全校朝礼を道徳の時間ととらえ、子ども達を中心として教師達とともに内省する時間にしたいと考えています。今年度は、複数の動物を登場させ、子ども達に話しかけています。今年度の講話のテーマは、「楽しい学校をつくろう!そのためには、感動する心をもとう!」です。1学期の講話に登場させた複数の動物をここで紹介します。
 ○子ネコ達(黒ネコ、白ネコ)
 ◎ホタル達(ホースケくん、タルエさん)
 ○ナマケモノ、タヌキ、ゾウ
 ○ライオン、シャチ
 ○オニグモ、アリ
 ○カバの親子、カバの友達
 ○怪獣、犬、猿
 ○金魚、アジ
 今回は◎について筒単に紹介いたします。
 昔々、あるところに、たくさんの木が生えている中ぐらいの山がありました。その木の東側に、木の東小学校がありました。木の東小学校には、いろいろな動物が通っていました。その中に、いつも宿題をしないで遊んでばかりいる、「なまけもの」の「サーボ」がいました。ある日のことです。なまけものの「サーボ」は、山をおりて町へ買い物行きました。たぬきのおかしや「タンタン」のお店にいき「おかしを2つください。」「はい。2円と3円です。」サーポは、お金を7円払いました。タンタンはお金の計算ができないので、買いに来た人が計算して払うのです。サーボは家に帰ってからお母さんにしかられました。「サーボ、お金の計算が違っているよ。お金を払いすぎているよ。お前は、ダメだねえ。」「お母さん、ごめんなさい。」何日かして、サーボはまた、おかしやへ買い物に行き、「おかしを3つください。1つ5円で、20円払ったから、おつりを3円ちょうだい。」サーポは家に帰ってからお父さんにしかられました。「サーボ、計算が違ってるぞ。」「お父さんごめんなさい。」授業中に遊んでばかりいたサーボは、その日から勉強しようと決心しました。「どうすればわかるようになるんだろう?」と悩んでいると、神様がやってきて、こう言われました。「授業中は、話をしたり、他のことを考えたり、ごそごそしたり、きょろきょろよそ見をしないで、集中して取り組みなさい。」そのことを守って、がんばっていると、それまではさっぱりわからなかったことが、少しずつわかるようになってきました。ぞうのパオーン先生も「サーボ、算数ができるようになってきたね。」と喜んでくださいます。ある日、ぞうのパオーン先生が、とてもむずかしい算数の問題を出されました。クラスのだれも問題を解くことができません。サーポは一生懸命考えて「先生、わかりました。」と言いましたが、だれもが信用しませんでした。でもパオーン先生は、にっこりほほえんで「サーポ、前に出てきて、黒板に害いてごらん。」と言ってくださいました。サーボは前に出てきて、考えたことを書いていきました。答えが出ました。パオーン先生が言われました。「サーボ、すごいね。答えは合っているよ。」クラスのみんなも「すご−い。」と言って驚きました。サーボはとてもうれしくなり、感動しました。パオーン先生も感勤しました。クラスのみんなも感動しました。サーボは思いました。算数の問題を解くことによって、感動できるんだ。その日から、サーボは算数が大好きになりました。
 皆さんも感動する心を持ってください。人は感動をくりかえしていれば、必ず前向きに成長していきます。どんどん感動して、楽しい学校生活を送りましょう。

1学期終業式にて
1学期の朝礼時講話のまとめ 夏休みに向けて

人生には、様々な日があります。うれしい日、悲しい日、楽しい日、辛い日、さまざまです。誰でも、人生の中で「忘れられない日」があります。その日を自分の人生の「宝の日」としてください。
 プロ野球の大リーグで活躍しているヤンキースの松井秀喜選手は、試合中に左手首を骨折し、一七六八の連続試合出場記録が途切れた日が忘れられない日となり、その日を自分の人生の「宝の日」としました。左手首骨折という選手生命を脅かす大怪我から、見事な復活を遂げた松井選手。ショックでなかなか立ち直れなかった松井選手が、再び大活躍をするようになりました。その原動力となったのは、二人の人物からの貴重な言葉でした。
 一人は、松井選手のお父さんで、「人間万事塞翁が馬」という言葉です。不幸と思われる出来事が 幸福を呼ぶこともあるということです。つまり、人間にとって何が幸いで何が災いか、表面的な現象だけでは分からないということです。彼は、骨折してよかったと考え、力をたくわえるために休養することにしました。
 もう一人はお母さんで、「竹は節があればこそまっすぐに成長する。」という言葉です。彼は骨折したとき、この言葉から「今は竹に例えると、節の時期だ」と考え、今を我慢して頑張って乗り越えれば力強く伸びていけると信じて、リハビリに専念しました。
 お父さん、お母さんは皆さんにとって、とても大切な存在です。なぜならば、皆さんが今、生きているのはお父さん、お母さんのおかげだからです。お父さん、お母さんの言葉は大切にしてください。皆さんのよりよい成長を願ってさまざまなことを話されています。どうか、心の耳で聞いてください。
 さらに松井選手のお母さんは、「まごわやさしい」と言い続けられました。「まごわやさしい」何のことでしょう。それは、健康のための食べ物の頭文字を並べた言葉です。皆さんもいっしょに考えてみてください。「まごはやさしい」の「ま」は豆、「ご」はごま、「わ」わかめなどの海藻類、「や」は野菜、「さ」は魚、「し」はしいたけなどのきのこ類、「い」はいも類です。松井選手は、これらの食べ物を毎日食べて、健康で頑丈な体をつくりあげ、維持しています。
 人生の中で、辛い日、悲しい日は、言いかえれば「マイナス」の日です。「マイナス」を「失敗」という言葉に、「プラス」を「成功」という言葉に置き換えてみてください。「失敗は成功のもと」ということわざがあります。ただ、注意しておきたいことは、失敗には二種類あるということです。自分なりにがんばった上での失敗と、力を抜いたための失敗です。同じ失敗でも、前者と後者では内容が異なります。成功に結びつく失敗というのは前者の失敗です。オーストリアの心理学者、アルフレッド・アドラーは、「マイナスをプラスに変えることが出来るのは、人間だけが持っている能力だ。」と言っています。皆さんも、全力でがんばった上で失敗した日を人生の「宝の日」と定め、マイナスをプラスに変える、プラス思考で前向きに生きていってください。
 「心の構えで挫折は力に変わる。」

ともに生きる   −「子ども力」を高める−
 本校では、あらゆる場面で、「ともに生きる」ということを大切にしています。「ともに」とは、子どもと教師、子どもと家族、子どもと地域の人々、子どもと子ども、教師と教師、保護者と保護者、学校と家庭、学校と地域等があげられます。本校では、「ともに生きる」を合い言葉に、人との関わりを身につけさせるとともに、思いやりの心や礼節を重んじる心を育てることを重点目標に掲げています。
 学校力、授業力、教師力、人間力等の言葉が使われています。学校の主役である子どもの力を高めたいという気持ちを込めて、「子ども力」という言葉を使わさせていただきます。「子ども力を高めていくためには、学校とご家庭とが力を合わせて取り組んでいくことがとても大切ではないでしょうか。 歴史上、様々な人物が登場しますが、個人的にたいへん興味のある人物の一人に土佐の坂本龍馬がいます。龍馬が、慶応三(一八六七)年六月、長崎から大阪に向かう船旅の途中で、土佐藩参政の後藤象二郎と語ったとされる「船中八策」があります。これは、明治新政府の政策、ひいては近代日本のあり方に明確な指針を示した八か条といえます。
 そこで、本校でも、龍馬にあやかって、ともに生きる中で、 「子ども力」を高めるための八つの策を立ててみました。以下に掲げる、八つの策です。
@あいさつ、A早寝・早起き、B朝ごはん、C会話、D勉強、E読書、F手伝い、G外で遊ぶ
 これは、子ども達によるアンケート結果も参考にしました。

 学校内で先生方と話し合ってまとめましたので、名付けて、『学中八策』。学校とご家庭とで協力して取り組むということから、『学家八策』と言えるかも知れません。「子ども力」を高めていくための指針として、この八つの策に、ぜひ、ご協力をお願いします。

 学校とご家庭との協力により「子ども力」を高めていく八つの指針をすべてクリアしていくことは理想ですが、現実はなかなか困難です。本校では、各学級で最重点目標を一つ、サブ目標を二つ決めて取り組んでいます。ご家庭でも参考にしていただいて、ぜひお取り組みをお願いします。

「自分を好きになろう」
 子を思う親の気持ちは、いつの世も変わりません。奈良時代末に編集された「万葉集」には、長歌・短歌など約四千五百首が収められています。それら多くの歌の中で、私は山上憶良の、この歌に深く感銘を受けています。
   「銀も 金も玉も 何せむに まされる宝 子に如かめやも
 人々は、銀とか、金とか、玉などを、この上ない、喜ばしい宝とします。確かに、物ならば、そうかも知れません。けれども、もっともっと、銀も金も玉も及ばない、本当に尊い宝があります。それは、子どもです。子どもに勝る宝は、他にあるはずがないのです。
 「子どもは、学校の宝」でもあると思います。宝である子どもが、ますます輝くために、本校職員は、保護者や地域の皆様と力を合わせて、基礎学力を身につけた「生きる力」を育み、生涯学習の基礎となる「心の教育」を推し進めています。その中で、日頃から子ども達に「自分を好きになろう!」と話しています。
 自分を好きになるためには、自分のよいところを見つけ、伸ばしていけるようになってほしいと願っています。また、好きになることのできる「自分づくり」に努めてほしいと思っています。自分を好きになれる人は、必ず他人も好きになれます。毎日生活している家庭、学校、そして地域や郷土を好きになれます。さらには、県や国、世界を好きになれる「心広き人」に成長してほしいと願っています。